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Fiio X5 2nd と Fiio X3 2nd [Fiio]

X5 2ndとX3 2ndは何が違うか

DSC00455-2.jpg

DACチップ、OPAMPの違いは、
X5 2nd
PCM1792 → OPA1652×2 → OPA1612 → OPA1612 → BUF634×2

X3 2nd
CS4398 → I/V変換無し → OPA1642 → OPA1642 → LMH6643

PCM1792とCS4398の違いは、卓上機なら1ランク違いが出るが、
ポータブルならこの程度の違いはほとんど出ないだろう。
それよりもOPAMPの違いのほうがはっきり出るだろう。
モバイル用のOPAMPのことは知らないが、
OPA1642、OPA1652は標準的なOPAMPのようだ。
それに対してOPA1612は1ランク上のOPAMPのようだ。
最終段の出力用バッファのOPAMPは、X5 2ndのほうが電流値が多くパワーがある。
そして2個搭載しているのも大きな違いが出る。
パワーが出るというメリットもあるが、
左右が分離するので、SNが向上するというメリットもある。

ポータブルDAPと据え置きDACの違いは

両者の違いを述べる前に、
ポータブルと据え置き機の違いは何ぞや?
まず一つ目は、プレーヤーソフトの違い。
ポータブルは内臓の専用ファームウェア、据え置き機はPCのプレーヤーソフト。
PCの場合は、使うソフトにもよるが、
私はJRiver Media Centerを使っているので、ポータブルのソフトより処理能力が高い。
特に顕著に表れるのがPCM音源再生時である。
PCM音源はダイナミックレンジが狭いので、
PCのプレーヤーで多ビット処理をすると、元データよりダイナミックレンジが広がる。

そして、ポータブルと据え置き機の最大の違いは電圧である。
ポータブル機は、大抵4V程度で駆動してると思う。
しかし、据え置き機は8V~12V駆動が普通である。
デジタル回路は4Vでも十分だが、アナログ回路は8V以上必要である。
電圧は音を出すための「圧力」である。
音をしっかり出し切るには8V以上が必要である。
音を出し切ることで、ダイナミックレンジが上がる。
4Vでは、出せる音に限界がある。

X5 2ndとX3 2ndの音の違いは

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本題に戻って、X5 2ndとX3 2ndの音の違いは何ぞや?
一言で言うと、X5 2ndは全てにおいてX3 2ndより向上している。
これは、X3 2ndの音が悪いのではなく、X5 2ndの音が良すぎるというのが正しいだろう。
IL300Affettoで聴くと、音の違いが丸裸にされる。

まず言っておきたいのは、
X3 2nd単体で聴いたら何の不満も無い。ということ。
X3 2ndはポータブルとして十二分に高音質であり、
ウォークマン、スマホとは比較できない次元であり、
ハイレゾ、DSD再生においても非常に優れており、
これで十分じゃん、という音質である。

X5 2ndが優れていることは

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まず、音が非常に正確である。ということ。
ポータブルは音質に限界があるため、一般的に良い音に感じさせる音作りが多いが、
X5 2ndは正統に良い音を追求して作られている。
デジタル回路やOPAMPなど、真面目に良い音を追求して作られている。
X5 2ndの音は、SNが高く、音がしっかり出るのでダイナミックレンジが高い。
高音も低音もしっかり出る。
音がくっきりと明瞭である。
なので、音が広く、空間が広く、立体感があり、定位感がある。
X3 2ndよりスケールの大きい音楽を聴ける。

X3 2ndもポータブルとしては十分に大きな音楽を聴けるが、
X5 2ndはポータブルの枠を超えるほどの、正確な音、広い音である。

音に味付けして良い音を作っているDAPは他にあると思うが、
X5 2ndは性能を上げて良い音にしている。

DSDネイティブ再生がすばらしい

これはX5 2ndとX3 2ndに共通することである。
PCM再生も、もちろん優れているが、
DSDネイティブ再生はすばらしい。
IL300Affettoで聴くと、ポータブルとは思えない音である。
DSD再生もPCMハイレゾ再生も、ダイナミックレンジが広い音を聴ける。
圧倒的な空間再現力である。
X5 2ndのほうが、X3 2ndより一回り大きな音楽を聴くことができる。

X5 2ndとX3 2ndは、どちらが買いか?

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AKG K3003で聴くと、正確な音、リファレンスの音、ど真ん中の音を聴ける。
IL300Affettoほどダイナミックレンジは広くないが、
情報量はK3003のほうが多い。

X5 2ndとX3 2ndは、どちらが買いか?
私の答えは、価格差なりの差がある。
価格差以上でも以下でもない、そのまんまの差である。

例えるなら、
X3 2ndは高性能コンパクトデジカメ、X5 2ndは一眼レフ。
スマホとデジカメの画質の差は一目瞭然だが、
高性能コンデジと一眼レフでは、スナップ写真程度ではほとんど差は分からない。
X5 2ndを使うなら、ある程度高性能なイヤホンを使うことが前提である。

X3 2ndのほうが小さくて軽くて、片手にすっぽり入って操作しやすい。
バッテリーの持ちもいい。
外に持ち歩くならX3 2ndのほうが断然楽である。

世界最高のイヤホン、IL300Affetto、K3003を持ってしても、
X5 2ndがあれば十分だ。と感じる。
特にこれ以上のDAPがほしいとは思わない。
Fiioはコスパが高いので、比較対象は価格が高いDAPになるだろう。
リファレンスのK3003、リファレンスに近いIL300Affetto。
私はリファレンスの音を聴きたいので、音を作っているDAPは聴きたくない。

Fiio X7のスペックを見る限りでは、
標準アンプモジュールならX5 2ndと大差ないだろう。
MUSES02モジュールなどを使えば、X5 2ndより良い音になるだろう。
ポータブルには、4Vで駆動できるMUSES02が最高のOPAMPである。
ポータブルはコストや電力の制限があるので、
X5 2nd辺りで、ポータブルの限界に近いと思う。
これ以上にするには、どういう音を作るかという領域になってしまう。

イヤホンも同様である、
K3003以上に高価なイヤホンが沢山出ているが、
K3003以上に高性能にするのは、プラスチック筐体では不可能である。
これ以上の物は、どういう音を作るかという領域である。

最近は10万円以上のDAPも多いが、
10万円のDAPと10万円のイヤホンで、
外で高音質の音楽をじっくり聴くのだろうか?
私はX3 2ndと1~2万円のイヤホンで十分だと思うが。
家の中で、10万円のDACと10万円のヘッドホン、スピーカーで聴いたほうが、
感動の度合いが全く違う。

DSC00690-2.jpg

総合的に考えて、外で使うのにおすすめできるイヤホンは、
最近発売されたIL500graziosoだと思う。
IL300Affettoはスケールの大きい音楽なので、外で聴くにはちょっと。
K3003は高価すぎるので、外で使うにはちょっと。
IL500graziosoの価格は2万円で、
音質もIL300Affetto、K3003に近く、
くっきりした音、メリハリのある音、適度な広さ、
K3003に似た音で、価格はずっと安い。
高価なハイブリットを買うより良いと思う。
少なくてもDN-2000よりはずっと良い。
詳細は別途レビューしたいと思う。


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